異物混入対策

異物対策をデザインする

消費者の方々が安全で安心な食を手にできるよう1%でも異物混入の発生率を下げるよう万全の対策を意識しなければなりません。

そもそも異物の定義とはなんなのでしょうか?

近年騒がれている事件の代表格は食中毒、虫や人毛、ホチキスの芯や装身具をはじめとする金属・プラスチック片などです。食中毒の原因となる菌やカビなども異物とするならば、食品製造現場における異物とは『食品以外のすべて』が異物であるといえるでしょう。

そして異物混入の約50%を占める3大異物が、虫、金属片・プラスチック片、毛髪だといわれています。

食品の異物混入クレーム内容(※2014年 国民生活センター調べ)

異物混入対策として、もっとも効果があることは従業員の異物に対する理解を高めた上で、物理的(ハード的)に異物をシャットアウトすることでしょう。

従業員の異物混入防止に対する「理解」を高める!
  • 日常から毛髪や髭などの体毛の手入れをしておくことはもちろん、作業に入る前は作業帽をかぶり毛髪がはみ出さないようにします。また粘着ローラーや、エアシャワーで、作業服についた毛髪やその他の異物を取り除いておきましょう。
  • 作業着は異物付着がわかりやすい白色にし、異物を混入させないためにもポケットがないタイプを着用しましょう。
  • 指輪やイヤリング、ヘアピン、ブレスレット、時計などの装身具は、作業に入る前に必ず取り外すようにしましょう。
異物混入確率をさげる「環境を整備」する!
  • 手洗い場所、エアシャワーや靴底の洗浄設備、虫混入経路の遮断、衛生環境の維持など、動線を利用して物理的に異物をシャットアウトしましょう。
  • 現場の使用シーン、用途に合わせた安全な製品を使用しましょう。

それでは具体的に異物からまもっていきましょう。

手洗いで『まもる』

ノロウィルスやO-157をはじめとする食中毒は、食品由来よりも調理従事者による2次汚染が大きな原因であるとされています。(厚生労働省資料より)

そのため「食品衛生は手洗いに始まって手洗いに終わる」といわれ、当然食品製造現場では手洗い励行を目にすることが多いのですが、依然として食中毒が発生しているのは、適切な手洗い方法が実施できておらず、洗い残しが発生していることも要因のひとつだと考えられています。

手洗いの手順

大事なポイントは作業開始前やトイレの後の手洗いをしっかり、もれなく実施し、また手指に傷口がある場合は調理に携わらないことも大切です。

環境で『まもる』

前述させて頂いたように従業員の方の意識を高めた上で、食品製造現場をハード面で異物からまもる必要があります。

粘着ローラー

食品製造現場に入室する際には粘着ローラーなどで衣服に付着した毛髪や糸くず、などをしっかりと除去した上で、細かい埃などをエアシャワー等で除去します。
現場によってルールは様々ですが、上から下に向かって身体の全面、背面、そして腕部分をそれぞれローラーがけしてください。

粘着マット

エアシャワー設備の中では粘着シートを使用し、食品製造現場へ足を踏み入れるときには、粘着マットでの異物除去や靴底洗浄をおこないます。

空調フィルター

食品製造現場の空調にとりつけることで目に見えないチリやホコリ、細菌やカビなどミクロの微粒子まで捕集して衛生的な環境を保持できます。

さらに食品の表面乾燥を防止したり、温度ムラの少ない室内環境を整える効果もあります。

衛生ワイパー

ノロウィルス、O-157などの食中毒から食品と作業従事者をまもるために作業環境の衛生維持は必須です。

日々の清掃作業や手指の除菌に使用するワイパーは大きさや厚み、成分などによって使い勝手や除菌効果を維持する時間が変わったりと機能はさまざまです。

帽子・キャップで『まもる』

3大異物のひとつ「毛髪」から食品をまもるにはどうしたらよいでしょうか?
1日で抜けかわる毛髪は50~70本と言われており、作業時間中にも髪の毛は抜けてしまいます。最大の防御策として挙げられるのが帽子・キャップの使用です。

ポイント

自分に合った大きさの帽子を着用する。
せっかく帽子をかぶっているのに、サイズが合っていない帽子は、毛髪落下のリスクを高めてしまいます。また大きいサイズだと髪の毛がはみ出したり、すきまが出来てしまいますし、小さいサイズだと長時間かぶることできつく感じて負担、違和感が起きてしまい、作業時間中に帽子をさわり、ズレが起こる可能性があります。
伸びきったゴムのまま使用せず定期的に交換をする。
フィット性を高めるために伸縮性生地を使用していますが、くり返し使っていると伸びが起きてしまいます。生地が伸びきって髪の毛がはみ出さないためにも、定期交換をしましょう。

食品製造現場で使用する帽子・キャップ例

布製衛生キャップ
顔全体を帽子で覆うため、額、こめかみ、頬、あご部の形に応じた「肌とのスキマをつくらない」構造で毛髪のはみ出しを防ぎます。
不織布製衛生キャップ
生地素材によって効果は変わりますが、強い吸着力で抜け毛、フケ、ホコリをキャッチします。
インナーキャップ
上記衛生キャップの内側に装着することで毛髪をおさえ、整え、毛髪落下効果を更に高めます。
帽子、ユニフォームの着る順序

手袋で『まもる』

手袋は用途や使用シーンによって求められる装着性や耐久性が違います。
選択方法を間違えると、手袋自体の破れによって破片などの異物混入に直結することがありますので、ご使用のシーンに合わせてお選びください。

素材の特性を知って、仕事環境にピッタリのグローブ選び

使い切り手袋材質別比較表

使い切り手袋材質別比較表

※食品衛生法規格基準

手袋のパッケージに「食品衛生法適合品」と表記してある製品は、食品に直接触れることができる目印です。
素材毎に国が定めた基準が違いますので、十分に注意してください。

着用方法

手指衛生後、清潔な手袋の指先や手のひら部分に触れてよごれが手袋表面に付着しないよう、手袋の手首部分をつかみましょう。さらに手袋の指先を下にたらして、上からはめると装着しやすくなります。

はめた際に手袋に破損がないか等を確認します。

外し方

手をよごさないよう内側が表になるように外し、手袋をしている手で丸めて持ちます。
よごれた面をそのまま外側にしてしまうと、周辺によごれがついてしまったり、それがきっかけで食中毒をおこしてしまうことがあります。

手袋を脱ぐたびに廃棄・交換するとともに、よごれた面に触れないように手袋を外すなど、適切な着脱および手指消毒を徹底する必要があります。

耐切創手袋

食品加工機械による休業4日以上の死傷災害は、年間2,000件近く発生しており、災害内容も、身体部位の切断や挫滅(組織がつぶれること)により身体に障害が残る可能性のあるものは、全体の1/4を占めているといわれています。
より現場の安全性が求められている中、作業内容に適した耐切創手袋を選びましょう。

耐切創手袋の素材と規格について

耐切創手袋の上にはめる手袋は1サイズ上のディスポ手袋がおすすめです。

マスクで『まもる』

口や鼻の細菌やウイルス、つばや鼻毛などが直接食品に飛散したり、手指を介しての二次汚染を防ぐためにはマスクの装着が必要です。

不織布製マスク

シールド性 涼しさ メガネくもり防止
3PLY × ×
2PLY
1.5PLY
1PLY

マスクを選ぶ時は菌やウイルスなどに対するシールド(透過)性、装着時の涼しさなどの作業快適性などが基準になります。
作業環境によって最適なマスクは変わってきますので、それぞれの現場に合ったマスクを選びましょう。

マスク装着方法

マスクは時間の経過とともに汚れていきますので、作業中は装着しているマスクに触れず、もし触れてしまった時は再度手洗いをするようにしてください。

ゴーグルでまもる

まつげ、まゆげ、目ヤニ等の落下を防止すると共に、食品や薬品飛沫などから作業者の目を保護する役目があります。
防曇機能やメガネの上からの装着ができるタイプなど、それぞれの現場に適したタイプをお選びください。

腕カバーでまもる

服のスキマから体毛の落下を防ぐことはもちろん、衣服を清潔に維持するなど、より快適な作業環境をサポートします。

エプロンで『まもる』

食品製造現場で使用されるエプロンには大きく「前掛けタイプ」と「使いきりタイプ」がありますが、衣類を濡らさず、清潔維持をするために、作業内容に合わせてお選びください。

繰り返し使えるタイプ

防水性、耐久性に優れていますので、水を使う作業に適しています。

使いきりタイプ

簡単に脱着が可能ですので、軽作業に適しています。
また使い切りタイプですので高い衛生性を維持しています。

ディスポの装着方法

首の輪に頭をくぐらせ、腰の紐を後ろ手で結び裾を十分に広げます。

使いきりタイプのエプロンは静電気で広げにくいときがあります。
ユニフォームへの汚染を最小限にするため、十分に広げられていることを確認しましょう。

襟が大きく開いてしまう場合には、首の輪を切って首の後ろで結んで調節します。脱ぐ際には結んだことで首の輪が切れにくくなるので、腰の紐を切るときの要領で片手で結び目を持ち、もう一方の手は結び目を持って引っ張るのがコツです。

外し方

  • ①首の輪を引っ張って切ります。
  • ②胸当て部分を前に垂らす
    ※汚れなどが付着したエプロン表面に手が触れないように注意します。
  • ③エプロンの裾または裏側を持ち、表を内側にしながら腰の高さまで折り畳んでいきます。
  • ④折り畳んだエプロンがほどけないように注意しながら後ろに手を回します。腰の紐の結び目を片手で持ち引っ張って切る。

片手で結び目を持ち、もう一方の手はできるだけ結び目付近を持って引っ張ります。結び目を持たずに切るとビニールが伸びて切れにくくなったりします。

シューズ(長靴含む)・シューズカバーで『まもる』

シューズ

作業性はもちろん、防水性や洗浄のしやすさ、安全のために転倒しにくいタイプを選択されることをオススメします。

汚染エリア拡大からまもるために、汚染作業用のシューズと非汚染作業用のシューズを区別して整頓することも重要です。

シューズ底の汚れは、移動時に汚染を拡げる恐れがあるので、常に清潔さを保ちましょう。

シューズカバー

シューズカバーは接触や飛沫による汚染からまもるため、また歩行による清潔領域の環境汚染防止のために着用します。

シューズカバーも不織布タイプやポリエチレンタイプなど素材もさまざまですが、作業性はもちろん、防水性や洗浄のしやすさ、安全のために転倒しにくいタイプを選択されることをオススメします。