FOOD INDUSTRY TOPICS

食品産業分野

異物混入対策 その1

食品現場の異物混入とは?

異物混入はなぜ発生するのか

「食材宅配業者に宅配されてきたハンバーグに毛髪が入っていた!」このクレームを受けて食品を製造した工場を調査したところ、
・従業員の作業帽から毛髪がはみ出していた。
・従業員の毛髪混入防止に対する意識が低かった。
といった原因があげられ、今後の対策として「従業員の毛髪混入防止に対する意識を高める!」と報告されました。確かに従業員の意識を高めることは重要な対策ですが、本当にこれで十分なのでしょうか?食品産業において「食の安全」を守ることは、果たすべき役割として重要視されています。消費者の方々が安全で安心な食を手にできるよう、1%でも異物混入の発生率を下げるための対策が必要です。そもそも異物の定義とは何なのでしょうか?虫や人毛、ホチキスの芯や装身具をはじめとする金属・プラスチック片などはすぐに思い浮かびますが、食中毒の原因となる菌やカビなども異物とするならば、食品製造現場における異物とは「食品以外のすべて」であるといえるでしょう。
中でも、グラフが示すように、虫、金属片、毛髪は3大異物と呼ばれ異物混入の大部分を占めています。

異物混入対策として最も効果的なことは、従業員が異物混入への認識を正しく持ち、防止対策を理解した上で、物理的に異物をシャットアウトすることでしょう。毛髪は一日に50~70本抜けると言われています。また、毛髪混入クレームの中で一番多いのは5㎝未満の短い毛です。

◎毛髪のチェック

□日常的に毛髪や髭などの体毛の手入れは意識して励行しましょう。
□作業現場に入る前は作業帽をかぶり毛髪がはみ出さないようにしましょう。
□粘着ローラーやエアシャワーで作業服についた毛髪やその他の異物を取り除いておきましょう。

◎着衣のチェック

□作業着は異物付着がわかりやすい白色にし、異物を混入させないためにもポケットがないものを
 着用しましょう。
□ボタンや生地のほつれなども異物になる可能性がありますので、着衣が整っているか確認しましょう。
□指輪やイヤリング、ヘアピン、ブレスレット、時計などの装身具は、
 作業に入る前に必ず取り外しましょう。

◎環境のチェック

□手洗い場所、エアシャワーや靴底の洗浄設備は作業現場への動線上に設置しましょう。
□虫混入経路の遮断や衛生環境の維持などの確認は定期的に行いましょう。
□現場の使用シーン、用途に合わせた安全な衛生管理製品を使用しましょう。